私たちのグループは、計算機や数理的手法を用いて、生命現象に取り組んでいます。
特に多量の情報を統合して高次生命現象を理解する場合や、時空間中にパターンが展開する形態形成現象を理解するうえで、
数理的手法は有効だと考えています。
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シアノバクテリア概日リズムの分子機構
過去の研究内容シアノバクテリアは概日リズムを持つ細菌です。その仕組みの解明を目指して、現在も熱心に研究が続けられています。我々は、数理モデルを解析することによって、未知の機構を実験に先立って予測する研究を行っています。
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遺伝子制御ネットワークと細胞状態の多様性
過去の研究内容我々の体を構成する様々な細胞の性質の差は、活性化された遺伝子の違いによって作り出されています。遺伝子制御を力学モデルで捕らえることによって、細胞の多様性の起源を明らかにしました。
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線虫の温度走性
過去の研究内容線虫は体長1mmほどの小さな多細胞生物ですが、302の神経細胞からなるごく簡単な神経系を使って行動します。我々は数理モデルや画像解析などの計算機技術を用いて線虫の行動や神経系の機構を調べています。
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葉脈ネットワーク
過去の研究内容葉脈形成のメカニズムは、まだよく分かっていません。我々のモデルでは、葉の形や成長などのわずかな違いによって、多様な葉脈パターンを再現できます。
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マウス初期発生における左右非対称な遺伝子発現機構の数理的解明
過去の研究内容マウスの左右性を作り出す遺伝子制御回路とその作動原理について、大阪大学の濱田教授のグループとの共同研究で解明を行っている。
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ゲノムインプリンティングの進化
過去の研究内容哺乳類(や植物)のある種の遺伝子は、一風変わった活性パターンを示します。哺乳類は2倍体生物ですから遺伝子は染色体上に2つあるのですが、その片方だけしか活性化しない、尚且つどちらの遺伝子が活性化するかはそのコピーが父親由来であるか母親由来であるかによって決まる、というものです。この様な遺伝子の転写(活性化)の仕方をゲノムインプリンティングと呼びます。2つの遺伝子のうち片方が壊れている可能性を考えると、ゲノムインプリンティングは予備の遺伝子を無くしてしまっていることになるため、わざわざ手間を掛けて不利なやり方を用いているように思えます。実は遺伝子に働く淘汰(個体にではなく)を考えると、この現象をきれいに説明できるのです。
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細胞間接着力と細胞選別
過去の研究内容細胞はその膜表面に接着分子と呼ばれるタンパク質を持っており、これを利用して隣同士くっつくことができます。くっつく力の大きさは接着分子の種類の組み合わせやそれらの量によって、変化します。最近の研究では、発生途中の形態形成において、そのような細胞間接着力が積極的に使われている可能性が示されています。この研究は、数理モデルと実験結果を組み合わせることによって、細胞間接着力を間接的に推定しようという試みです。
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基底細胞上皮腫(BCC)の成長の数理モデル
過去の研究内容皮膚がん(Basal cell epithelioma)において、がん組織が複雑な枝状(?)のパターンを形成することが有ります。この形態形成の仕組みについて、がん細胞密度と栄養濃度の反応拡散モデルによる説明を試みました。得られたパターンは組織切片のパターンと良く似ていました。がんのパターンの解析から、そのがん細胞の性質が分かるかもしれません。
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魚類網膜の錐体細胞モザイク
過去の研究内容一般に網膜上には、各種の色に反応する数種類の錐体細胞が存在します。ある種の魚では、それらの細胞が非常にきれいに規則的に並ぶことが知られています。このパターンが発生の過程でどのようにして作られるのかは分かっていません。数理モデルによって、この形態形成を説明するメカニズムを提案します。と、同時に実際の生物に於ける錐体細胞間の相互作用について、仮説を提出します。
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体細胞モザイクからの細胞系譜の推定
過去の研究内容発生では細胞が分裂を繰り返すことによって、体が構成されます。ある種の生物では、細胞分裂のルールが一定(個体間で同じ)で、そのような分裂の履歴を知ることは発生過程そのものを知ることになります。分裂の履歴を記述したものを細胞系譜と呼びます。一般に細胞系譜は発生の初期に細胞を同定し、それに印を付け(マーカーの導入)、より発生の進んだ段階(観測ステージ)で印の付いた細胞の分布を調べることでなされます。これは非常に手間のかかる実験で、多くの生物の細胞系譜はまだ明らかにされていません。発生過程を追跡せずとも、特定の観測ステージにおけるマーカーの分布だけから、その上流の細胞系譜を推定するシステマティックな方法を考えました。
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