現在の研究内容
理論生物学・数理生物学の教科書を出版しました
理論生物学概論
望月 敦史 著
共立出版
2021年04月15日刊行
A5 / 328ページ
価格:5,170円(税込)
https://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320058309
(1) 本文では、分子・細胞・組織レベルの生物現象に対する理論研究を、トピックとして分かりやすく紹介しています。同時に各章の章末に「数理的手法」をまとめてあり、技術として数理科学を学んだり、より数学的な意味を学ぶこともできるようにしてあります。(2) 理論生物学には、生命科学と数理科学の双方からの期待が集まっています。本書は、理論に興味のある生命系の学生と、生物学に興味のある理論系の学生の、どちらにも興味を持ってもらえるように、工夫をしました。
(3) 本書の最大の特徴として、「構造理論」をまとまった形で紹介する初めての本、ということがあります。構造理論は、生体分子の相互作用情報、つまり調節ネットワークや反応ネットワークなどの構造の情報だけから、システムの振る舞いの重要な側面を決定する新しい数理理論です。様々な生命システムのダイナミクスの理解に適用され、これまでにない成果を挙げています。
******************目次******************
第1章:生命システム概論
第一部:時間的な変動の数理
第2章:合成と分解によるダイナミクス
第3章:遺伝子調節システムとそのダイナミクス
第4章:振動する生命システムI -体内時計と分節時計-
第5章:振動する生命システムII -シアノバクテリア体内時計-
第二部:ネットワークの数理
第6章:遺伝子調節システムと細胞の多様性
第7章:調節ネットワークの構造とダイナミクス
第8章:反応システムI -酵素による制御-
第9章:反応システムII -振る舞いの多様性と分岐-
第三部:時空間パターンの数理
第10章:神経細胞と興奮系の数理
第11章:反応拡散方程式とチューリングの拡散不安定性
第12章:生物で見られる様々な自己組織的周期パターン
第13章:自己組織的形態形成を実現する反応ネットワーク
第14章:細胞極性
第15章:細胞移動による形態形成
第16章:形態形成と生体分子ダイナミクスの結合
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この本のもう一つの特徴は、魅力的なカバーイラストです。
ウイルス・再生研副所長の河本宏先生に、素晴らしい絵を描いていただきました。
イラストには、河本先生のアイデアで、様々な意味を込めていただきました。
http://kawamoto.frontier.kyoto-u.ac.jp/labNews/labNewsTop.html#riron
本の内容や意図を深く汲んでいただいたことに、とても感謝しています。
それと同時に「どうしてご存知なんだろう」と驚くほど、私の好きなモノたちを登場させていただいたことを嬉しく思っています。
〇修正と補足説明
本文の修正、および代替的な説明について、ファイルにまとめました。随時更新する予定です。
修正と補足 2021年4月22日